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義務教育のこれまで


今の日本では小学校6年間・中学校3年間の合計9年間が義務教育の期間であるというのは、基本的なことであるのですが、この今の義務教育は、いくつかの段階を踏んでやっと辿り着いた教育システムと言えます。
日本での義務教育の歴史というと、まず1871年に国のでも文部省を設置し、翌年の1872年(明治5年)に日本で最初の学校制度を定めた教育法令である『学制』が公布され、義務教育推進運動が始まったというところが原点となっています。その当時は義務教育を推進しながらも授業料を徴収していたためそれほど普及することがなかったのです。その後1890年に改正された小学校令で尋常小学校の修業年限であった3年間または4年間を修了するか、学齢の8年間までが義務教育期間と定められており、3年間〜8年間と過程主義と年齢主義の併用をおこなっていたのです。たとえば、尋常小学校を3年間で修了した場合にはそれで年齢に関係なく義務教育は修了となるのですが、それでも修了できない場合は年齢制限である14歳になるまで義務教育が続くというものです。


1900年に小学校令が全面的に改正され、ここで尋常小学校の修業年限が4年間となったために義務教育期間が4年間からになっています。またこの法令により尋常小学校の授業料が無料になるなどしたために通学率がこれを機にどんどん上昇していったのです。1907年には尋常小学校が今と同じ6年間となったために6年間〜8年間となり、また1941年になるとこの尋常小学校の名称が国民学校初等科と変わっています。
その前の1939年からは中等・高等小学校にいっていない男子に限り14歳〜19歳まで青年学校へと通う義務があるとされ、実質上男子に限り13年間の義務教育となっており、これは戦争の軍事訓練の一環となったいたようです。本来なら1944年から国民学校令で義務教育が8年間に延長される予定だったのが戦争があったために実施されず、このように日本の義務教育の歴史も戦争によってかなり影響を受けていたのです。そして1947年に公布された学校教育法により、今の義務教育期間の9年間となっています。
義務教育の今後としては、いまは幼稚園入園や高校進学する人がほとんどとなっているため、幼稚園の1年間と高校3年間までの期間を、今の9年間にプラスをしてトータルの義務教育期間を13年間とする案も出ているようなのですが、受験や費用などいろいろな面での改善が必要となるようでなかなか実現となるまではいかないというのが現状のようです。